飢餓の月に鮮血を振りかけたら、僕は今夜、苛立ちの楽園を築く。 病めるほどに美しく、白々しいまでに鬱くしく、ささくれ立った僕の心は撫でるほどにざらつきを増し、いつしか棘で覆われたかのように他を拒むようになる。 人には解らぬ言葉で喚く無機質達、その嘆きを受け止めて、彼等の憤りが解るようになってしまったら、僕はもはや社会不適合者の烙印を享受せねばならないのだろうか。 「時には、思い出して欲しい」 そう言い残して現世を去った君は、君が最期に登ったビルが取り壊されてしまったことを知ったら、どんな顔をして溜息を吐くのかな。目を閉じて、俯いて、少しだけ、残念そうに? 霞んだ視界の先に、幾重にも重なる未来を見つめて、絶望と失望まみれで空を飛んだ君。君が感じた風は、気持ちよかった? そうだと、いいな。 |